ビッグトラブル2 引越荷物の持ち逃げ?=25年間のノウハウ11=




●ビッグ・トラブルの話 その2
2.この章の前に書いた話よりも更に2,3年前の話になるが、10年くらい前の話であろう。
ある日系の引越会社がある駐在員の帰国のための引越しを請け負って、船便の第一回目のの荷物を出した。
日本の倉庫には家具類を保管してはいるがそれだけでは帰国時に生活できないので現在使用中の家財、身の回り品の半分くらいを帰国日の一ヶ月ほど前に 先に送り出しておくのが普通である(船便)。

ニューヨークから横浜港までは港ー港で25-30日の所要日数が掛かるので一ヶ月というのが目安になる。
横浜港に荷物が着くのと同時くらいに本人が成田空港に到着するのがベストの送り方である。
成田空港で引越荷物の申告(別送品申告書)をするとその書類で港や空港での引越荷物の通関ができる。
そのためやたらに早く出しても通関はできないので時間が無駄になったり、港の保税保管料が発生したりして非経済的でもある。

ちなみにアメリカに来る場合は荷物は2ヶ月前に出しても3ヶ月前に出しても通関はできるシステムになっている。
通関はできても配達先が無ければこれまた倉庫保管料が発生するので荷物出しは計画をして出す必要があるのは言うまでも無い。
ドイツの場合はドイツに着いて住民登録をしてからその写しの提出を求められるので日本に帰る場合よりもちょっと手間が余計掛かる計算になる。

さて、船便の1回目を出した後で2回目(最終荷物)の荷出しの日程の相談になったが、お客さんの希望する日時にはすでに予約が入っており「朝からは無理だが 午後からなら作業を組める」ということが分かったので、そのように予定を組んだ。
通常は船便の2回目を出すときは帰国日の1-2日前のことが多い。
その際に航空便の引越荷物も同時に出す。

両方の荷物を出した日に家やアパートを引き払ってホテルに入る。 
普通は一泊で翌日にはJ.F.K.から帰国の途に着くが、中にはホテルに2泊する人もいる、「ヨーロッパ経由で帰る」という人もいた。
ヨーロッパなら何も帰国時に回り道をしなくても駐在期間中にいつでも行けそうなものであるが、その理由は聞いたような気がするが忘れた。
ニューヨークからロンドンまではわずか6時間なので東京からタイのバンコクに行くのと同じである。 国内であるロスアンゼルスに行くのと大して変わらないのである。`

さて、第二回目の引越日になった。
朝の9時頃に引越会社が来た。
(客) 「あれ、午後からの約束だったと思うけど・・・」
(業者) 「予定が空いて都合がついたので早めに来ました」
何でも時間通りにいかないのがニューヨークで、何でも遅れるのが普通である。
しかし、日本の引越会社だけはいつでも遅れず時間通りに来る。

早く来て困ることは無い。 反って早く仕事が終われば午後の時間に余裕ができるし、ホテルにも余裕でチェックインができる。
早速仕事を始めて貰い2回目の作業なので荷物は少ない。 通常第一便で7-8割の荷物量を発送することが多い。
それは日本に着いてからの生活を優先するためである。アメリカの生活はすでに終わったも同然なので多少の着るものと日用品があれば生活は可能である。
昼前に作業が終わり業者は帰って行った。
一息付いて、お客さんは「後は掃除でもしてその後でホテルに移ろう」と考えていたかもしれない。

そんなときであった。
(業者) 「こんにちわあ。 引越の○×です」
(客) 「えっ?????」
(業者) 「今日午後1時から作業をするお約束でしたよね?」
(客) 「1時????」
(業者) 「違いましたか? おかしいなあ」
(客) 「だって、朝一番できて、さっき作業が終わって帰ったばかりですよ」
(業者) 「えっ????? そんなばかな?」
(客) 「何かの行き違いでは?」
(業者)「では会社に連絡を取ってみます」

連絡をした結果は会社側は他のトラックを回したこともなければ、当日の予定は1時からなので今現場にいるトラック、作業員以外は予定に入っていないという話であった。
さあ、その後がどうなったかは捜査にも時間が掛かるであろうし、当事者(業者)は信用問題なので一切の情報を外部に漏らさないように秘密厳守になってしまった。

このトラブルは明らかに会社内部の問題であるが、作業員が主犯となって自らやったことであればいずれは犯行がばれる。
しかし、その作業員がとぼけて第三者を使ってやったことであれば本人が嘘発見器にでも引っかかってばれない限り犯行は分からないだろう。

前の章でも書いたが、作業員にしてみればほとんど無価値の他人の引越荷物を危険を犯してまで横取りするには考えられる理由はほぼ二つ。
第一は自分の勤めている会社に恨み等があってやった仕返し。
第二はお客さんがかなり魅力のある(金目)の物を船便で出したので「まだ有る」と思ったか、第二便でそのようなものを発送することが分かっていたか?ということが推測 できるが、真相は分からない。

日系の引越会社では極めて珍しい事件であるが、ニューヨーク市内での一般の引越しでは、「引越し1時間$19.00」というような張り紙の電話番号で頼む引越しでは 頻繁に持ち逃げが起きているので更に注意が必要である。 テレビのニュースでも「気を付けるように・・・」と流れるほどであるから・・・。


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