
梱包資材の使い方
引越しで誰も(特に家庭の主婦)が一番心配するのが、食器、グラス、瀬戸物関係の梱包です。
「割れては困る」これは誰でも同じ考えです。
ではその梱包の方法は?
瀬戸物類の梱包にはおよそ次の資材を使います。
@瀬戸物専用の箱、A一般の包装紙、Bエアーキャップ(外国ではエアーバブルと呼ぶ)、Cティッシューペーパー、D緩衝材(ピーナッツ、発砲スチロールのつぶつぶ))、E間仕切り板、の全部か一部が使われます。
プロの職人が梱包する場合はAだけで十分です。Eも時と場合によっては使います。
素人、初心者、やアルバイトの作業員には基本的に瀬戸物の梱包はさせません。
が、プロの職人でも一番初めは素人、初心者であった訳で、初めて食器を梱包する作業員もいます。 お客様には「もう1年やってる」とか言いながら、その実その日が始めての食器梱包ということもあるわけです。
そのような場合に安全策を講じておかなければなりません。そのためにBを使いAで梱包した食器を更に梱包します。 それでも安心できない場合はDのピーナッツも多用します。
二重、三重の安全策を講じることになります。
こう言えば聞こえは良いですが、引越し会社にとっても利点があります。
皿一枚が梱包を終わったあとは10倍くらいの容積に梱包資材を着膨れしています。
ということは10倍のスペースが必要となります。普通でダンボール箱ひと箱で収まる場合を想定すると、食器のために10箱必要となる訳です。 つまり、荷物量が増えるから輸送費が増える。収入が増える、ということになります。 収入が増えて困ることはありませんが、 予算が増えるお客さんは困ります。
安全輸送は最優先しなければならないことですが、素人、初心者が梱包することにより、一箱で済むはずが10箱必要になってしまうという極端なケースも発生します。
それらの資材をふんだんに使って「食器の梱包が良かったから割れたものはなかった・・・」と安心している人がいたら、「そのお陰で持って来れるはずの他の物が持って来れなかった」とも考えてみるべきでしょう。
業界では「膨らます」といいますが、荷物量に余裕がある場合、会社の許容量に対して実際に運ぶ予定の荷物が極端に少ない場合等は、安全策ということで食器を丁寧に包んで(膨らむのは構わない)そのお陰で荷物量が
増えて売り上げも増える、ということもあります。
程度の問題なのでその点を良く考えてみる必要があります。包みすぎもいけないし、手抜きでろくに梱包もしないようでも困るのです。作業員からは良く思われないかもしれませんが、「口は出したほうが」良いです。「そんなに包まないで」とか、「もっと包んで」とか。
私の経験上25年前にはわずかながら食器の破損がありましたが、現在では10家族が引越しをしても9家族は食器の破損がまったく無いと言えるでしょう。
その理由は梱包技術が上がったというより途中の物流(港、船会社、鉄道輸送、倉庫取扱い等)が良くなった(取扱いが良くなった)ためと言えます。 梱包そのものは20年前と変わりません。変わりようもないのが事実です。 いくらオートメーション化が進んだ現在でも引越し作業で皿の自動梱包機などという話は聞いたことがありません。
一般家庭には実にたくさんの食器があります。特に日本人の家庭の食器の多さはアメリカ人の比ではありません。アメリカ人は洋食器セットを1セット持っていれば済みますが、和食器にはその概念がなく、作る料理によって器が変わるためです。
平均すると日本人の家庭(4人平均所帯)はアメリカ人の3倍から5倍もの食器を持っています。
したがって、食器の運賃だけでも日本→アメリカ、或いはその逆で10万円、20万円という費用が掛かる(食器の値段に関係なく)ことがあります。
そのような食器を素人梱包されるとどんなに頑張っても2-3倍の費用がかかるケースもでてきます。
食器があまりかさばると他の荷物を少なくしないと会社の許容量やご自身の予算をオーバーしてしまうことがあります。
これには注意が必要です。
その他の梱包資材としては・・・
1. ドレスやスーツをハンガーに掛けたまま輸送する「ハンガーカートン」(縦型)
2. それらをハンガーから外してたたんで入れる「フラットカートン」(平箱)
3. ベッドのマットレスを入れる「マットレスカートン」
4. 本や書類を詰める「ブックカートン」
5. 額縁、絵画等を梱包する「ミラー(鏡)カートン」
6. 食器類を入れる専用の箱は「ディッシュカートン」
7. 日曜品、雑貨、台所用品等を入れる「大箱、中箱」
8. 家具類を包む「コルゲート・ペーパー」
9. 同じく家具を包む「ペーパーバッド」(通常の茶色の包装紙の間にトイレットペーパーのように柔らかいティッシューペーパーが挟んであるもの)
10.ゴルフバッグを入れる「ゴルフカートン」(あまり使用しない)
11.自転車を入れる「バイクカートン」(あまり使用しない)
12.バブルパック、エアーキャップ、プチプチ呼び方が多いがみな同じもの
13.テープ類: ガムテープ(高価)、PVCテープ(安価で質が悪い)、紙テープ(水でぬらして粘りが出たところで貼る、郵便切手と同じ原理、安価で丈夫)、その他色々
14.ビニール袋(水濡れを恐れて衣類をビニール袋に入れる人(客)がいるが反って蒸れて衣類にシミができることがあるので注意)
これらは荷物を梱包するための資材であるが、基本的には「紙」類でできている場合が多い。
ビニール類(特にエアーキャップ類)で皮製の応接セットや皮製品を包むことは厳禁、夏場・梅雨時の高湿度の条件下で梱包をするとそのまま湿気が向こう一ヶ月以上
密封されてしまし、目的地に着いたら「カビで真っ白」ということがある。
和服もドレスもビニール袋に入れることは反ってまずい。引越会社がそのような梱包をすることはないが、お客さんが自分ですることがあるので注意が必要。
先進国間の引越荷物輸送で「荷物が濡れる恐れ」は基本的にお客さんの家から荷物を運び出してトラックに積む間か、荷物が目的地に着いて配達する際のトラックから
卸した荷物を家の中に運びこむ際の2回しかない。 倉庫ではほとんどすべてが屋根付き、トラックも「トラバン」といわれるアルミの箱がボデーに乗ったものが或いは幌が
付いたものなので濡れる心配は無い。
しかし、開発途上国ではすべてがこのようだという保証はない。
まさか、アフリカでは象の背中に荷物を載せて運ぶことは無いだろうが、スコールが来ることが決まっている東南アジアなどでは常にそれに備えているのでどこで雨が
降ってきてもすぐに覆いをかける(もともと幌がない無い場合の話)のでほとんどのケースで濡れる心配は無い。
しかし、先進国でさえも例外が常にどんな仕事をしていても起こりうることを考えておく必要もある。

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