●ビッグ・トラブルの話 その3
3.最後は相当古い話(20年以上前)になるがある引越し会社の倉庫が全焼して複数のお客さんの荷物がトータルロス(全部がダメになること)なってしまった、ということが あった。
これにも原因はあるだろうが、前者2話よりは不可抗力(過失)的性格のトラブルであった。

4.同じような不可抗力的なトラブルとしてこれも20年ほど前になるが、日本の船会社の船がバンコクから横浜港に向かう途中(夏場)でしけに会いベトナム沖で座礁 して動けなくなった事故があった。
コンテナー1本(40FT)で学生の荷物なら50人分以上、親子4人の標準家庭の荷物でも4-5家族分が積める。
そのようなコンテナーが1000本も2000本も積める大型コンテナー船である。
当時でもバンコクには日本人が5000人以上いたので、かなりの家族の荷物がベトナム沖で帰らぬ荷物となったようである。

座礁しただけで沈没したわけではないと聞いているが、いずれにしても座礁した岩礁から引っ張りだしても船底にはかなりの被害があるはずなので、その時点で沈没する ことは明らか。 ならば船会社は本船を放棄したほうが金が掛からない。船は保険で保証が効くし、荷物は海難事故としてこれまた保証する義務はない。

もっとも訴える人がいれば裁判にはなって船長の不可抗力が認めれるかどうかになるが、いずれにしても何年も掛かる裁判になる。
それを待つより保険で早く処理をしたほうが助かる人も多い。

多分その船はそのまま放置されて積荷は「海賊」の餌(?)になってしまったであろう。
海賊にしてみれば思わぬ棚からぼた餅であったろう。


トラブルを避けよう
不注意が会社を辞める羽目に・・・
次がお客さんの不注意によるトラブル。いわば身から出た錆ともいえるトラブルである。
有る家電メーカーのプエルトリコ駐在員が護身用に拳銃を所持していた。
カリブ海の島国でアメリカの「51番目の州」といわれる国である。

ニューヨークも物騒な所だが、プエルトリコも物騒と聞く。
「$300有れば贅沢をしなければ一家族が一ヶ月生活ができる」とそこの出身者から良く聞いた。$300はともかく、たとえ$500であってもその違いは大きい。
51番目の州だけあってニューヨークではヒスパニックを代表する存在で多数が住んでいる。

貧困が犯罪を産むのはニューヨークのブロンクスも同様である。
ヤンキースのスタジアムがあるのもブロンクスであるが、あそこはブロンクスでも一番の外れであり、クウィーンズのすぐ隣なのであまりヤバイとは思わないが、 クロス・ブロンクス・フリーウェイの北側一帯は「昼でも暗い」という印象を受ける。
昼でも暗いのくらいだから夜行ったらどうなるか?

それこそニューヨークのブラックホールで一旦迷い込んだら出て来れないと思ったほうが良い。 間違っても夜間にそこに入らないか、通らないことである。
そのような場所であるから、一旦犯罪があると警察は相手が銃を持っていようがいまいが、自分の持っている弾を使い尽くすまで撃ちまくる。
言うまでも無く容疑者は裁判をする必要も無くなる。数発から数十発の弾丸を食らって即死する。
日本の警察など空に向かって撃つ威嚇射撃でさえはばかるようでは犯罪は無くならない。(ちょっと言い過ぎか?)

ブロンクスでは犯罪者はポリスの射撃訓練の生きた的になることが多いのである。
それくらいすさんだ町である。
人口は2000年の調査で133万人。人口密度は1平方マイル(2.6平方km)に31000人が住む。ちなみに日本一人口密度が高い東京の場合で 1平方km当たり5500人、ブロンクスは12000人(平方km)となる。
ニューヨーク州の人口密度は154人(平方km)、全米の人口密度は30人(同左)である。 ブロンクスはなんと12000人。実に全米平均の400倍にもなる。犯罪も400倍と思ったほうが良いだろう。 それくらいヤバイ、危険地帯であると思っていたほうが良い。


さて、プエルトリコに帰ろう、いや戻ろう。
そのように治安が良くないプエルトリコなので撃つつもりは無くても一応拳銃を所持するのが身の安全のためとなる。
最後の最後になれば、撃たれて死ぬよりは、相手を撃ち殺すほうを取るのが普通であろう。
しかも押し込み強盗などであれば正当防衛として撃っても良いお国柄である。

だいぶ以前に日本の高校生が南部の町(ルイジアナ州)で射殺された事件があった。
あの界隈では家の庭に無断で入ってきても撃たれることがある。それが又許される州でもあった。
ニューヨーク州の場合は庭に侵入した者を撃ち殺すことは許されないが、家の中に一歩入った途端にそれが合法となる。
あるときには庭で撃ち殺した相手を家の中に引きずり込んで「家に入ってきたから撃った」という者が出てくる。
しかし、血痕やルミノール反応で調べればそれはばれるだろう。

さて、護身用に持っていた拳銃を記念のためがどうかは分からないが自分の引越荷物に積めて日本に送ってしまった。
間違いであれば事前に「拳銃を入れておいた箱をそのまま引越会社が荷物と一緒に出してしまった」と届け出れば情状酌量で許される場合もあるが、 その届出をしないまま、輸入荷物の税関検査の際にそれが見つかってしまった。
税関検査もかなり緩いことがあるが、悪いことはできないものでそういう時に限って箱の中にある拳銃が見つかってしまう。
日本の場合麻薬以上に拳銃の罪は重い。 それは人の死に直結する危険性があるからだ。 
「うっかり」では絶対済まされない。

そのままブタ箱行きになっても文句が言えない重大犯罪になる。
会社の上司は税関に出頭を命じられ、ことのいきさつ、人事管理面に付いて根掘り葉掘り聞かれる。 というより尋問に近い。
表沙汰にならないまでも会社の名誉を大きく傷つけることになるので懲戒の対象になるが、会社は本人の勤務態度とか会社に対する貢献度を考慮した 場合には「どうだろう、依願退職のほうが良いと思うが・・・」となる。

うっかりミスが会社を辞める羽目になってしまうので外国で銃を所持している人はくれぐれも注意をしたほうがよい。



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