
●ビッグ・トラブルの話
1.数年前に新聞種になった話だが、その新聞を読んだという人からの又聞きの話である。
ある日本人女性の学生がニューヨークのマンハッタンからペンシルバニアのフィラデルフィアに引越すことになった。
ニューヨークには日系会社で引越専門もあれば物流の傍らに引越しサービスをしている会社もたくさんある。
ニューヨーク周辺の日本人は領事館のデータを借りると推定5万5000人と言われている。 駐在関係者及びその家族が約20000人ほど、アメリカ人と結婚して住んでいる人が約10000人、
その他の永住者及び学生、留学、遊学等が25000人ほどという数字になっている。
引越専門か準専門としている日本の会社が5-6社、永住している日本人が経営している会社が2-3社、その他物流、船会社系、航空貨物系の会社で引越荷物も取り扱っている会社が10社ほとある。
そのほとんどの会社が主たる顧客を日本人として商売をしている。
5万5000人の人口に対して専業及び順専業の会社が10社弱、総勢では20社近い会社があるわけで過当競争と言える。
さて、それだけ引越会社があれば前述の女子学生も日系のどこかに引越を頼めたと思うが、それはしなかったらしい。というかできなかったようである。
日系の会社は品質を重んじる、そのため料金もそれなりに高くなる。日本人の経費も安くは無い。
前に書いたが、地元の会社の中にはかなりやばいことをする会社が幾らでもあると予想できる。
街中の電柱に「引越1時間$19.00」なんて張り紙がべたべたと貼られている。
1時間19ドルでは人件費はおろかトラックの償却費もでないであろうと推測できるが、「何でも安ければ良い」という考えの人もいれば、経済的に余裕がない場合もあるかもしれない。
○×フードの社長が苦し紛れに発した言葉が「安いのを欲しがる消費者も悪い。だから、悪いと分かっていても安くするためにやってはいけないこともやってしまった」というセリフがあった。
言うまでもなくそんなに安い費用でオファーするからには事前に人件費をかけて見積もりに行くなんてことはしないし、できない相談である。
電話一本で荷物の内容を聞いて「それなら幾ら」という見積りになる。
「じゃあ、頼む」という話が付く。
前に書いたが見積もり時に費用を安くしたいために自己暗示をかけるべく荷物量を過小申告するのが人の常である。
正直な会社であれば「荷物が100箱ある」といわれて梱包資材を用意して行っても50箱分しかなければ「50箱しかない」と言うが、ちょっとずるいのになると50箱の荷物を60(2割り増し)箱か70箱(4割り増し)に膨らます梱包をするかも知れない。
「100箱なんてなかった。70箱で収まりましたよ」と言いながら・・・。
皆が皆正直商売をしているとは限らない。
それなら「40箱」と申告して「50箱もありました」と言われたほうが良い(膨らましがない)ことになる。
そういう事情をを知っていて一般の人が過少申告をすることはないと思える。
単純に「あまり余計なことは言わないほうが良いだろう」と考えているだけかもしれない。
さて、かたや「荷物は少なめに、余計なことは言わないようにして」電話で見積りを頼み、かたや「取れるときに、取れるだけ取る」(前に書いた)という両者がぶつかったらどうなるか?
両者の開きは非常に大きいから摩擦も大きくなる。
荷物は聞いていた量の2倍くらいあり、それに輪を掛けて「取ろう」としている会社が現場で話す言葉は「電話で聞いた金額の2倍かそれ以上」になる。
それくらいなら日系の会社に仕事を頼んでもお釣りが来る場合があるが、電話で聞いた金額は「日系が高くて、地元の会社は半分くらい」の値段なので地元の会社に仕事を頼みたくなってしまう。 誰も最初から高いものを買おうとは思わない。しかし、相手を選ぶ必要はある。
しばらく押し問答の末、
(客) 「じゃあ、引越を頼まないから帰って…」
(業者) 「冗談じゃない、トラックも作業員も用意して今日の仕事のために他の仕事を断っているんだ。今更キャンセルされても他の仕事ができるものじゃあない。 それなら今日1日分のトラック、作業員の費用を補償しろ。」
どっちにも言い分はある。
そんな押し問答の末、お互いが「取り合えず引越はして、頭を冷やして、フィラデルフィアに行ったところでまた相談しよう」
かくして引越はそのまま続けて、フィラデルフィアに着いて引越が終わって値段の交渉になったが、お互いが平行線のまま。
(業者) 引越代を払わないなら払うまでここを動かない」
そのまま居座られたら何か不測の事態が起こっても困るから、取り合えず渋々ながら相手の言うままに金を払って引き取ってもらった。
その話を聞いた女性の友人が「そんなの訴えよう」という事で表ざたになり新聞ダネにもなったが悪徳業者も処罰の対象になったという話である。
教訓:
1.安かろう悪かろうには気をつけること。 ものには相場があるのでその相場よりも極端に安い場合には裏があること思うべきである。
2.客の側も正直に荷物全部を申告していれば料金が2倍以上も開くことなく1.5倍くらいに収まったであろう。 驚きの度合いが違う。
3.日系の会社でそのような悪徳業者がいるとは思わないので、「ちょっと料金が地元の業者よりは高い」と思っても正直商売をしてるからぼられることは無いと思うべきである。
4.日系の会社は5万5000人の狭い日本人社会のなかで仕事をしているので悪い噂が1回でも立つと致命的となるが、地元の会社はニューヨーク市周辺、隣のニュージャージーの2州だけでも
1500万人の人口を抱えている大市場なので毎日「一元さん」から「取れるだけ取っても」仕事は無尽蔵といえるくらいある。それを念頭に入れておく必要がある。
5.地元の会社であってもまともな会社は日系の会社と同じくらいの料金を提示している会社がたくさんあることも知っておく必要がある。
6.とにかく極端に安い会社は使ってはならない。何か裏があると警戒をすること、である。
7.相見積りは三社が限度でしょう。
一番上と一番下ではかなりの開きがある場合がある。
■高い会社は「最初は高めに出して、それでも仕事が取れればラッキー。高いと言われたらそれから値下げの交渉に応じる」と考える。つまり、後出しじゃんけんに重点を置く。
■安い会社は「とりあえず仕事を取ってから考えよう」と、後で何か値上げの理由探しをするかも知れない。
■そこで真ん中、「これがうちの会社で出せるベスト料金」と最初から駆け引きを抜いて(考えず)見積書を作るからである。これが「正直商売」と言える。

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●引越し25年のプロが書く本音の話、
だからためになる…
●引越し会社を辞めて独立し別の事業を立ち上げた今だから書ける本音
●アジア、アメリカ、ヨーロッパ駐在で引越しをした経験からグローバルな観点で引越しを語る
●これだけ知っていれば10万円は楽に節約できる話
●しかも安かろう悪かろうではない!
●業者の選び方
●会社は大きければ良いか?
●市内引越しと違い海外引越しは会社が費用を払うがそれでも業者は選びは大切
●ここでは主に海外引越しに付いて語る
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