
●荷物の破損と紛失はなぜ起きる?
101箱のはずがなぜ100箱なのか
引越荷物を梱包する際には箱ひとつひとつ(家具もベッドも箱に入らないものがたくさんあるが、一応箱と呼ぶ)にお客様の名前と箱の通し番号を書く、又は、予め作成しておいた
ラベルを貼っていきます。
番号を書いたり、ラベルを貼ったものはパッキングリストにその都度記入していきます。作業をしながら記入していくのは日本式のやり方、全部の梱包が終わってからラベルを貼って
リストを作るのはアメリカ式のやり方。
問題はいつ発生するか?
手書きで名前と番号を書いていく場合は最初からその危険性があり、ラベルを貼って行く場合は見積りの荷物量をオーバーして予め作成したラベルが足りなくなって手書きになった時点から
ということになります。
それはどのように起こるかというと、何人もの作業員が同時に平行して作業を進めていきます。作業責任者は自分の作業もあり、パッキングリスト作成の作業もあります。
また、慣れない作業員とかアルバイト作業員にはその都度色々な指示をしながら作業を進めていきます。
今手元のパッキングリストには60番まで記入が終わっていて、次は61番の番号をつけることになりますが、キッチンで台所用品を積めている作業員がもう少しで一箱の梱包が終わるのを
みて、その箱を61番として「番号の先取り」をして「61番 台所用品」と記入したとしましょう。
そのときに別の部屋の作業員から何かの理由で呼ばれることがあります。本当はキッチンの箱詰めが終わったあとで番号を記入してからにしたいところですが、5分も10分も待てないので
呼ばれた作業員がいる部屋に行き問題を解決します。
すぐ終われば問題なし、食器棚か何かを大きい物を梱包している場合には更に10分も20分も時間を要することがあります。
また、ある作業員は別の部屋で別の仕事をしています。
家具の件が済んで、別の作業員の部屋に行き仕事をチェック、それまでにその作業員が梱包の終わった箱に62番の番号から順番に番号をつけてリストに書き足していきます。
その間にお客さんから質問がきたり、答えたり、また別の部屋の作業員が梱包している衣類関係の箱に番号を付けて、手元のリストにはすでに78番まで番号が記入されている。
それら複数の部屋で色々と作業の進捗具合をチェックしたり、リストに書き足したりで、キッチンに戻ったときは30分も40分も経過した後だったということもあります。
台所用品なら、慣れた作業員なら1時間で5-10箱は梱包してしまいます。もちろん物品の大きさにもより、鍋釜のようなものなら5分で一箱の梱包が終わってしまいます。
キッチンに戻ったら6箱も7箱もすでに梱包された箱が積み上げられているので急ぎそれらの番号に79番から番号を振っていくことがあります。
その6,7箱のひとつに61番の番号を付けなればいけないのにそれを忘れてしまっていることがあるのです。
リスト上には61番が台所用品と記入されているのにその箱は実在しないことになってしまいます。そのまま最後まで気が付かずに作業が終わってしまうと、リスト上は100箱でも実際の
箱数は99箱となります。
倉庫に戻った時点で箱数を数えながら荷物を卸しますが、「99箱しかないよ」ということになります。
トラックの中とか保管する家具の中に紛れ込んでいないかチェックをすることになりますが、トラックの中にも保管家具の中にも入っていないということになると、「何かの間違いだろう、とにかく
預かった荷物は全部ある」ということで処理をしてしまうことがあるのです。
そのときに箱を1番から100番までチェックしなおせば足りない箱(番号)が何番の箱であるか判明することになるが、「とにかく預かった箱は全部ある」という判断をしてしまうと、その時点
では何番の箱が足りないのかはわからないままになってしまう。
確かに預かった箱は全部あるので紛失ではないのであるが、リスト上では1箱が足りないことになる。
では、コンテナーに積み込む際の番号確認はどうだろう?
「一箱足りないよ」ということでそのBさんの荷物のあった付近の隣同士の荷物のラベル、番号をチェックするが紛れ込んでいることはない。
「再度チェックしたが周りの荷物にも紛れ込んでいないことを確認したので問題はない」という処理をして発送することになる。
このようなケースの場合に隣のAさんの荷物がひとつ紛れ込んでいたらどうなるか?
もともと99箱しかないBさんの荷物だが、Aさんの荷物が紛れ込んでちょうど100箱になっていた。
61番の箱は無いが、79番の箱(Aさんの79番とBさんの79番があるため)が二つあるので番号の読み間違いだろうという「だろう」で処理をしてしまうことがある。
このように作業員の思い違いからトラブルは起こる。
前述したが、手順を完全に守れば事故は起きない。しかし、1年365日のうちには偶然や複合のミスからトラブルが発生してしまうことがある。
このような紛失のトラブルは非常に少ないが人間が作業をする以上ゼロにはならない。

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