●荷物の破損と紛失はなぜ起きる?

倉庫内の取扱い
荷物配達時のことであるが、紛失でも「箱がひと箱とか数箱足りない」ということがある。
これは困る。
これにも考えられる原因がいくつかある。
一番厄介なのは本当の紛失の場合だが、これは倉庫で起きる可能性が高い。

毎日何人もの人の引越荷物が倉庫に搬入される、これから外国に行くもの、外国から入って来たもの、国内で移動途中のもの等色々な理由で荷物が倉庫に入ってくる。

船会社は基本的に「Weekly Service」と称してアジア向けでも、ヨーロッパ向けでも、北米向けでも、1週間に1回づつ出航するスケジュールを立てている。
それに合わせて引越会社も輸出スケジュールを立てる。

ある1週間の時間内に集荷した荷物を仕向け地ごとにまとめて1週間ごとに輸出する。
例えば、ある船会社が毎週水曜日に日本から北米向けに船が出るとすれば、カットオフ(船会社に荷物を届ける期限)は月曜日の場合が多い。
その場合、月曜日当日の作業の荷物を船会社に届けるのは輸出書類手続上不可能である。
土曜日、日曜日に集荷された荷物も同様に書類手続きが間に合わない。

そのような理由から今週の月曜日のカットオフに間に合う荷物は先週の月曜日から木曜日の間に集荷された荷物と、先々週の金曜日、土曜日、日曜日に集荷された荷物となる。
このように集荷された荷物は通常4日から10日ほど倉庫に留まることになる。
その間に間違いが起きる可能性は否定できない。

倉庫保管が目的で集荷される荷物は倉庫に入った時点で保管用のコンテナー(通常は木製のコンテナー)に積み込まれて所定の場所に保管される。 
しかし、すぐに出荷(輸出、国内移動も含む)される荷物は木製のコンテナーに詰められることもあればそのままの状態でそれぞれの場所に置かれることもある。
輸入で入って来た荷物も同様である。

荷物が少なく倉庫がガランとしている場合は問題ないが、繁忙期になると時として足の踏み場も無いほど倉庫が荷物であふれることもある。
そのような場合すぐに移動する荷物のAとBの境界線がハッキリ区別できないことも起こりかねない。
積み上げられた荷物のひとつが何かの原因で落下する場合がある(人が触れたり、フォークリフトが当たったり)。
誰か気が付いた人が箱を良く確かめて荷主の名前を確認してAかBかを間違えの無いように元に戻してくれれば問題は起きないが、他の仕事で忙しい者、例えばフォークリフトの 運転手が「邪魔」と判断して単に通行スペースを空ける目的で右が左かに寄せた場合に間違いの始まりとなる。

AもBも国内配達の荷物である場合もあれば、どちらも外国に出るためにそこにある場合も考えられる。
Aの荷物はアフリカ行き、Bの荷物はアメリカ行き、ということもその他のケースも考えられる。

いずれそのAもBも輸出のために発送されることになるが、荷物をコンテナーに積み込む際に荷主の名前と箱の番号をチェックリストに基づいて確認することが作業手順できまっている。
決まっていることが守られるなら事故は起きない。鉄道事故でたくさんの人が犠牲になることもなければ、酒酔い運転の犠牲になって幼い三人兄弟が犠牲になることもない。


荷物が隣同士に置いてあっても境界線は分かるように置くのが基本だが、今回はフォークの運転手が床に落ちていた箱をA、Bの区別無く単に移動してしまった。つまり、Bの荷物がAの荷物側に 動かれてしまったのである。
それを知らない積み込み作業員はAの荷物は100箱ということで番号をチェックしながらコンテナーに積み込んでいく。

作業手順では名前と番号の両方を確認するとになっているが、「1番、○×さん、2番○×さん、・・・・」とチェックが進んでいくが50番当たりになるとだんだん荷主の間違いはないと信じはじめ、 「間違いは無いだろう」ということで番号の読み上げだけになってしまう。ことが多い。
「これで最後」となったときにチェックリストを持っていた作業員は「おかしいな、55番が2箱あるが、89番が無い、しかし、箱数は全部で100箱。」となる。
「しかし、確かに100箱はあるから、何かの勘違い(番号の読み間違い、聞き間違い、チェックマークの付け間違い等)だろう」と判断してしまう。

間違いの箱がひとつ余計に入っているので101箱なければならないはずなのになぜ100箱なのか?
これには複合原因(後述)が絡むことが多いのである。
かくして、Aさんのアメリカ行き荷物は誰も気が付かないままBさんの荷物に紛れ込んで遥かアフリカに行くことが確定してしまったことになります。
さらに別の荷物でアフリカ行きがあればそれも次から次へと混載されていきます。

同じ時期に船が出ている場合はアメリカでは1ヶ月そこそこで荷物が配達になり、Aさんは「あの箱がひと箱足りない」と大騒ぎ、荷物を届けた作業員も「確かに1箱足りない」ということを認識して本社にレポート をして「本社の倉庫内に残っていないか調べてくれ」と矢の催促中。
倉庫では隅から隅まで忘れられた荷物が無いか探し回ることになる。

アメリカに遅れること2-3週間でアフリカのBさんに荷物が配達されます。
では、そのBさんの荷物がアフリカで配達される際には分かるのではないか?という疑問が湧いてくる。
分かるケースが半分、その逆が半分。
配達先でも同じようなミスを犯すことがあるからです。
「でも、自分の荷物であるかどうかは箱の中身を見れば分かるであろう?」という疑問も出てきます。
確かにそうですが、お客さんの中には荷物が届いたその日に荷物を全部開けて中身を見ない人もいます。又、作業員は手を抜いて箱を開けないで帰ろうとします。これは 先進国、途上国の区別はありません。

すぐに使う食器類とか衣類は比較的早めに開けるでしょうが、たくさんある本でもほとんど死蔵に近い本もたくさんあります。昔の書類もしかり。冬物衣類などはいつ開けられるか、 数年間或いはずっと開けられないか分かりません。
さらに、Aさんも、Bさんも日本人とは限りません。
ずっと後とか、数年後に分かるということも否定はできません。
しかし、数年後にそれを発見したBさんに「今更・・・」と思われたらそれまでです。



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